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三和土(たたき)
その名の通り、土・石灰・苦汁の三種を混ぜ合わせて突き固めた日本古来の地盤形成技術。
漢字の由来は上記の通り、読み方は地鏝や木の道具でひたすら叩くからたたき。
材料の配合とその材料を使ってつくるときの行為が名前になってるなんて面白いですよね。
三和土は地面に対して平面的な土間部分、これを立ち上げると土壁や版築といった立体的な壁になり、名称も変化していきます。
つくり方もほぼ同じで内部構造を組み、上部に雨除けの笠を取り付けて強度をあげたり
瓦や藁を練り込んで強度+意匠としたものも奈良や京都などで多く見かけますね。
明治初期にコンクリートが入ってくるまで三和土は主に家屋や倉庫の土間部分の屋内に使用されていました。
現代のコンクリートなら雨でも問題なくしっかりと固まりますが、三和土は水分には弱いため屋内での使用がほとんど。
出角部分も脆いので囲まれている状況の方がいいのかもしれません。(ある程度時間が経てばしっかりしますが。。)
しかし、今回の施工現場は屋外。
屋根付きの玄関アプローチですがしっかり雨は降り注いできます。
まぁ実験的施工+実家ということもあり、経過観察を通して強度問題やテクスチャの変化を見ていきたかったということです。
三和土の配合(ミキサー1回練り分)
・真砂土 50L
・石灰 10L
・苦汁(水で希釈したもの)4.5L
この配合率もこれが正解というわけではなく、いろんな考え方があるみたいです。
実際は真砂土じゃなくて深草土という京都で取れる土を使うようですしね。
硬さや水分量、色味などを確認しながら毎回同じ材になるよう気を付けながら練っていきます。
強度確保のため12cmの厚みで仕上げていきます。
まず半分の6cmの厚みまで下地をつくって、その上を仕上げ12cmまで持っていく算段です。
枠板12cmまで三和土材を入れて叩いていくと12cmあった材が6cmまで凝縮します。
で、もう一度その工程を繰り返して12cm厚の仕上がりに。
そうお察しの通り、時間と労力がかかる施工なのです。
約7平米分を5人掛かりで朝から夕方までずっと叩いていると原始的な行為から生み出される一定のリズムの波長に軽いトランス状態になっていきます。
練って、均して、叩くこの繰り返しです。
仕上がり面まで行くと軽く鏝で均して、今回は籾殻を上から撒いて押さえ込みました。
養生と調湿効果が期待できる新聞紙を敷いて、ゆっくりと乾かしていきます。
そしてそこから一週間後、養生を外しました。
出角部分はまだ少し脆く、枠板を外す際にポロポロと取れてしまった部分もあり、まだ完全には固まっていない様子。
ところどころに残る叩いた手痕があの時間を思い起こさせます。
テクスチャは土そのものが固まったようないい雰囲気で、色ムラや凹凸も含め優しいアプローチになりました。
仕上げに撒いた籾殻も地元のルーラルな風景とよく合い、とても気に入りました。
全国各地で三和土がされていた時代があっても
確かなロジックが確立されておらず
材料の選定から配分率、厚みや仕上げ方、養生や調湿の違いまでも多種多様。
それほど、つくられる地域柄や特色、その土地の風土や環境が大きな影響を及ぼしているという事ですね。
それが三和土の面白さや難しさでもあり、
時間と労力。
すなわち、たくさんの人の手とそこに流れる時間に思いを馳せてつくられていくことが最大の魅力であって
今回の三和土の実験を通してそれを感じれたことは本当に良かったと思っています。
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