









神戸R不動産が運営・管理されている芦屋にある旧宮塚町住宅地の庭改修工事。
南側には日華石という石川県小松市で産出される凝灰岩を使った希少な石造りの建物が立っています。
この建物は以前芦屋市の市営住宅として使われていましたが、生活様式の変化や内装の老朽化により住居としての役目を終え
現在は耐震補強工事を施し、喫茶店や雑貨屋・写真スタジオや古着屋など魅力的で個性豊かなお店に貸出し
地域の暮らしとその文化的価値とが結びつく商いの館になっています。
建物の北側にはシティファームという地域密着のシェア型貸農園があります。
気軽に、身近に自分の畑を持つ事ができ野菜や果実を作ったりすることは勿論
豊かな生活の知恵が育まれたりや新たなコミュニティが広がる素敵な場になっています。
そして既存の庭には版築のハイカウンターが設けられ、収穫した野菜を仕分けしたりイベント時などの什器としての機能を果たしていました。
しかし、そういった使いがっては良いものの
強い存在感と入り口からの圧迫感、そして庭に滞在したいという心地よさを感じることができませんでした。
そこで建築と農園の間に存在するこの庭は、お店に訪れた人や畑仕事をする人の交流の場となり
季節ごとのイベントやワークショップの際には柔軟な広場としての受け皿になると考え
庭が両者をつなぐコミュニティの架け橋となるような空間。
そして公園のような、農園の一角のような曖昧で長居したくなるような庭を目指し
農園から採れる野菜をモチーフにvegeテラスと名付けた左官のベンチをつくりました。
有機的で優しく柔らかな見た目と自然な色味や質感・濃淡、風合いなど
なんだろう?と興味をそそるフックの掛け方と建築と農園 2つを取り持つ空間を意味付けするかたちデザインし、
公共の場としての座り心地や水勾配、防汚性・撥水性に配慮し、イベント時などにも柔軟な使い方ができるような汎用性も持たせました。
周囲の生垣の高さを抑えることで外からの目線も多く浴び
vegeテラスで寛げる場があるという魅力的な場としての価値観もアップグレードできたように思います。
実際、イベントでvegeテラスを思い思いに使っていただける光景や
親子でお弁当を食べに来られたり、犬の散歩コースの休憩スポットとして使っていただけたりする様子を見させていただきました。
街から庭へ。そして庭からお店へ。農園へ。
建築から庭へ。そして庭から農園へ。街へ。
街と建築と農園の交流点としてコミュニティが生まれる空間になることを願います。